早熟の天才ブレーズ・パスカルは、その遺稿集の中で「人間は考える葦である」との思弁を残した。人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超えるという無限の可能性と、消えてなくなる小粒子に過ぎない有限性を説いている。
そして、「人間の尊厳のすべては、考えることの中にある」と説いている。科学技術の長足の進歩で、想像できないほどの膨大な量の加工、未加工の情報が氾濫している。書店には「HOW TO」ものがあふれ、検索エンジンは以前は悪戦苦闘して得た答えを瞬時に探し出す。私たちは便利さを手にしたものの、人間たらしめる「考えること」を徐々に置き去りにしているのではないだろうか?
変化のスピードと広がりがあまりにも早く、そのインパクトも大きいため近未来さえ予測することがむつかしい。そんな中で、約40年前に没した動物行動学者のK・ローレンツの以下の指摘をおもいだす。
人口爆発で近すぎる多様性は攻撃の対象となり、あたかも異なる生物種のような国家間争いがおき、資源の枯渇で自然加工が極り、自然への畏敬の念が喪失、医学の発達で自然淘汰が減り遺伝的衰弱が起き、価値観のあまりの変化に伝統は軽視され、科学技術万能の中で感情や情熱が委縮し、過度の情報や教育の画一化で教化が進み、軍拡と核の拡散が進み抑止力が弱まる。
ローレンツは文明化した人類の八つの大罪と警鐘を鳴らしたが、予測した不吉な未来と今日の実相は驚くほど近い。私たちは今日を生きるのに忙しいが、望ましい未来を私たちの手に取り戻すために、何ができるかをまずは考えることが大切という思いに至り、新しい地平を思い浮かべ考え行動する「Horizon倶楽部」を創設した。
という創設以来の当倶楽部の基本理念を継承しつつ、今年度も引き続き、会の活動の発展を図ってまいります。
具体的には:
という4点の重点目標に加え、新型コロナウィルスの状況に配慮しながら、
も視野に入れてまいります。
「この指、止まれ」の理念に基くボランティア・ベースの活動をスムーズに進めていくためには、何より会員の方々の参加が重要です。
そこで本年度は、例会の場や会員向けFacebook、メール等を通じて出来る限り皆さまのインプットをいただくことより、幹事会メンバーと会員の皆さまとのコミュニケーション促進を図っていきたいと考えます。倶楽部運営についてのご意見やご希望、例会講演でお聞きになりたいテーマや講師、部会活動・イベントのアイデア等についてのご提案等がありましたら、是非お知らせ下さい。
2022年度の運営は、会員総会の承認を得て以下の幹事会体制で取り組みをスタートしたいと存じます。
また、活動充実の必要に応じての幹事会メンバーの期の途中での変更・補強につきましては、幹事会に一任していただきたいと存じます。
(代表幹事)髙松孝年・本橋広行
(副代表幹事)関口武己
(幹事)米田直弘・碇信一郎・沖隆一・宇都ひろ子
(事務局)鈴木容子
なお、岩崎哲夫、谷正行両氏(前共同代表)には、Co-Founder(創立)会員として、引き続きご支援、ご指導をいただきます。
月例会は8月を除き原則各月の第三火曜日となります。
8月はお休みとし、12月はYear-End Partyの開催を予定しております。
会員の年会費は従来同様 ¥30,000(但し、10月以降入会の場合は、¥15,000)といたします。
また、初年度に限り¥10,000の入会金を年会費に加えて申し受けます。
(月例会への参加費は別途となります)
また、昨年度、一昨年度は試験運用であったこともあり、例会講演内容に関してはビジターにも配信しておりましたが、当年度につきましては会員のみの配信とさせていただく予定です。
以上が、2022年度の活動方針となります。
まだまだ新型コロナウィルスの状況は予断を許さない状況ではありますが、会員の皆さまのご健勝を祈念いたしますとともに、当会が会員・会友の充実した生き方に益々貢献できるよう皆さまの積極的参加とご協力をお願い致します。
2022年6月21日
Horizon 倶楽部 共同代表幹事 髙松孝年/本橋広行