ディジタル世界の覇者ともいえるIT長者が齢を重ねるうちに、アナログ的と言ってもよい日本文化に惹かれる事例をいくつも見てきた。しかし、いったい日本の何が彼らを惹きつけるのだろうという謎解きの答えを我々自身が持ち合わせていない。
日本の何処にクールはあるのか。
文化は本来、複層的なので、造られたモノを眺めているだけでは深層は見えないものだ。例えば、枯山水を “わかる” には、ただ座っているだけでは足りない。
平安の末期、藤原俊成が歌合せという遊興から「さび」という美的感覚を発見して以来その感覚が梳られていき、やがて不完全さなど “何かが差し引かれたもの” に美を見出すようになったことが背景にある。水を使わないことで、反って強烈に水を感じる枯山水が立ち昇ってくるのである。
日本人はあまりにもホモジニアスゆえに自身の魅力を測る「物差し」の必要性に気付いていないが、実は古くから「真行草」という “らしさ” を持っている。もともとこの概念は書体筆法に関する渡来のもので「真高草低」であったものだが、漢字(真) を取り入れて万葉仮名(草) を作った様に、様々な分野で日本風を興してきた。
茶道には、こうした日本の方法がすべてつまっている。
唐物数寄と呼ばれ、中国からの舶来品が一級とされていた時代、千利休は陶工 長次郎に楽茶碗を造らせ、土着品の価値を押し上げた。グローバルとローカルの価値を逆転させ、更には茶の湯の中で和物と唐物とを両立させてみせたのだ。こうした日本文化の “らしさ” は到底、筆舌できないものではあるが、型を修められた先生との対話を通して、少しでも「真行草」の物差しへと近づいてみたい。
桂 宗裕 先生
楽しい季節の茶会を提唱・実践している茶道裏千家正教授。直門。江戸時代から続く茶陶の先祖を持ち幼少の頃から長年研鑽をつむ。
近年では国内にとどまらずロシアハバロフスク、サンクトペテルブルク、バルト三国、ベルラーシなどより招聘され、茶道の海外普及にも努めている。雑誌などで受賞歴あり。雑誌の連載、監修も行う。ざくろホールディングス取締役。
【モデレータ】
遠藤 政城 氏
SI企業 システムエンジニア。企業に勤めながら日本文化に関心を寄せ、茶の湯を中心に独自に勉強を続ける。日本アスペン研究所 フェローズ会員。一般社団法人 Music Dialogue サポーター。
2018年10月16日(火曜日)
18:45 受付開始
19:10~20:20 スピーカーによる講演とQ&A
20:20~22:00 参加者紹介&部会活動報告および懇親会
Horizon倶楽部事務局 岡山裕大
10月14日(日)までに
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表参道バンブー(渋谷区神宮前5-8-8)
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会員:10,000円(講演会・懇親会一括)
※会員早割:9,000円:14日までに先頭に参加される方のお名前を付記してお振込みください)
※ビジター初回参加:講演会無料ご招待懇親会 6,000 円
※未会員で参加経験がある方:12,000円(講演会・懇親会一括)
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三菱UFJ銀行六本木支店(普)0469171ホライゾンクラブ)
60名